僕とiTunes

iTunesがサービスを終了するらしい。

僕たちの青春を彩った音楽は全てこいつの中につまっていた。

TSUTAYAでCDを借り、「シュイ―――ン」という音と共にiTunesに取り込み、iPodに大好きな曲をめいいっぱい詰め込んだあの日々が前時代的なものになることに一抹の寂しさを感じる。

 

僕の高校時代は暗黒期だった。

全て僕のせいではあるのだが、成績も部活も家族仲も最悪だった。

その逃げ口として様々なエンタメに救いを求めた。

ラジオ、お笑い、バラエティー、Jリーグ、マンガ、アニメetc。

そしてもちろん音楽もその一つだった。

どこでも評価されないからこそ、若さ特有の「自分にしかない何か」を手に入れたくて、僕はなけなしの金でTSUTAYAに通った。

みんなが聞かない隠れた歌手、昔一世を風靡した名曲、有名歌手の初期の曲、そんな音楽を聞くことでみんなとは違う何者かになれると信じていた。

「AKB?YUI?RAD?GReeeeN?UVER?ださいださい。ハイロウズって知ってる?」

今自分のiTunesを振り返ってみると僕のもがいた形跡がくっきりと観測できる。センスのある人に聞いて選べばちゃんとしたサブカルクソ野郎になれたのだろうが、みんなと違うものを選ぶことに必死だったからかあまりに統一感のないラインナップでつい笑ってしまった。

しかしそんなことを繰り返していくうちに自分が何が好きで何が嫌いなのかが明確になっていったし、それを聞いている間は「今俺が聞いている音楽が世界で一番センスある」というマリオのスター状態に入ることができた。

 

時は流れ大学も卒業が見えてきた今、音楽はYouTubeの公式配信かSpotifyで聞くようになった。

最近では好きな歌手の最新曲も聞いちゃうし、ヒット曲も抑えちゃう。

昔の自分なら確実に聞かなかったであろう米津玄師とかもとりあえず聞いとく。

人と話すときに共通言語があった方がいいに決まってるから。

 

ニュースを聞いて久々に開いたiTunesで再生数が多い順に曲を聞いてみた。

一曲目は銀杏BOYZのBABY BABY。

だっせぇなお前。童貞丸出しかよ。

でも最高だよな。

 

音楽はその曲を聞くだけであの日の風景、空気、気持ちを思い出させてくれる。

そんな宝物をたっぷり詰め込めたiTunesは紛れもなく偉大な発明品だ。

ありがとうiTunes。

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