ラジオ・コバニ

UPLINK渋谷にて「ラジオ・コバニ」というドキュメンタリー映画を見て、ラジオDJの秀島史香(@tsubuyakifumika)さんと武村貴世子(@kiyoko9)さんのトークイベントを聞いてきました。

トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街コバニは、2014年9月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまった。

そんな中、20歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。生き残った人々や、戦士、詩人などの声を届ける彼女の番組は、街を再建して未来を築こうとする人々に希望と連帯感をもたらす。

引用:UPLINK

戦闘地域ならではのショッキングな映像や、現地の人々の暮らしぶりを映すといったジャーナリズム目的の映画にとどまらず、ラジオというものが人々に希望と連帯感を与える様子が描かれ、ラジオ好きの僕にとってはとても嬉しい作品でした。

その後のDJお二人のトークイベントでは、実体験を踏まえたラジオの魅力に関するお話を聞くことができ、とても説得力があり興味深かったです。

私たち日本人にとってラジオ・コバニとリンクする状況と言えば、やはり東日本大震災です。

被災地の方々はもちろんのこと誰もが明日に不安を抱えていたあの頃、ラジオDJとしてマイクの前に立つとき心掛けていたこととして「正確な情報と日常」を挙げていました。

テレビはオープンメディアなので「みなさん」に向けて放送されていますが、ラジオはパーソナルメディアなので「あなた」に問いかけるように放送されるというのが大きな違いで、だからこそラジオの方がよりパーソナリティーに親近感を持つことができます。

そんなパーソナリティーからいつも通りの声が聞こえてくることは、災害時においては何ものにも代えがたい安心感をもたらしたことでしょう。

「ライフラインももちろん必要だけれど、それだけでは生きていけない。 必要なのは希望。」

「ラジオDJには希望を与える責任がある。」

という言葉がとても印象的でした。

ディロバンがなぜラジオを始めたのかが分かった気がします。

ISという組織は現在世界中に蔓延している閉塞感が具現化したもののように思えます。

戦争で植民地を奪い合う時代は終わりを告げ、資本主義による勝者と敗者の立場が明確な時代が到来しました。

現状をどうにかしようにも搾取の仕組みが整っていて、どうすることもできなくなった現状は人々を過激にしポピュリズムを加速させます。

しかし、友人を殺され故郷を追われ時代の被害者であるディロバンがそんな中でも人々に日常をもたらそうとする姿を見ると、自分にも何かできないかと思いこの記事を書きました。

ポレポレ東中野の5/27(日)12:40~の回ではフォトジャーナリストの佐藤慧さんが、「シリアの今を考える」をテーマにトークイベントを行うようです。

お時間がある方はぜひ見に行ってみてください。

こちらからは予告編、監督のインタビュー、著名人のコメントを見ることができます。

最後に主人公ディロバンの言葉を紹介します。

「私は人を信じ、生きることをあきらめません。」

この記事を読んで急に寄付をしろだの、現地でボランティアをしろだなんて言いません。

私たちは信じられているのですから、「知ること」をやめてはいけないと思うのです。

ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!

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